新千歳空港にはLCC各社が集結!国内出張はLCCで十分なのか!?
- バニラ
成田T3拠点のバニラ
奄美大島に行くときに一回乗りました。
創設当初だったので、キャラクター性は薄く、個性も無く乗りやすかった。
今はいろいろやってるらしい。
関西圏の人間にはあまり乗る機会がない。
ANAが噛んでる会社。
ピーチ
関空T2拠点のピーチ
関空からはしょっちゅう乗ります。
オンラインチェックインが出来れば完璧だと思います。
機内環境はあんまりよろしくない。
バス並というけど、JRなどの路線バスよりはイケてない。
格安スキーツアーのバスのような感じ。
昔は札幌固定で出張があったけれど、時代が時代ならコレで行けとか言われていたと思うと、背筋が凍ります。
ただ思いのほか定時性は高いように思います。
収益>定時>安全>従業員>サビス>信頼の順番かな
タイエアアジアX
バンコク ドンムアン空港(DMK)を拠点にするタイエアアジア。
こんなの見たらタイにいきタイじゃないか。
但し、エコは3-3-3のきつい配置なので、コレでバンコクはきついかもしれない。
最長で羽田ーKLーパリと乗ったけど、体がきつい上、遠回りで時間の無駄だった。
その後は東南アジア圏内と北アジア間のフライトでよく利用しました。
当時はLCCで乗り継ぎはないなと思った。
LCCは直行であってこそ意味があると思います。
安全>収益>定時>サビス>信頼>従業員の順かと
ジェットスタージャパン
拠点、、、は成田T3かな。関空や中部にも便がある。
一番有用だけど、国内LCCの中ではあまり安くない部類。JALが噛んでいて、コードシェアもしている。
オンラインチェックインなど出来るし、変わった個性もないので一番レガシーに近いエアライン。
いくらかお金を出せばJALにマイルもたまる。
機内での持ち込み酒類の飲酒は出来ない。
ちなみにこの記事を書いている現在も、無線システムに不具合が出てしまって、ディレイしています。
一番気に入っている反面、トラブルも多い印象。
安全>従業員>サビス>信頼>収益>定時の順
出張でLCCは使えるのか?ドアtoドアで考える。
「国内線ならLCCで十分だね」
「乗ってる時間は2時間ぐらいなら、狭くても大丈夫」
という意見が多いです。
実際機内や空港でもそういった声が聞こえてきます。
確かにこれらの意見は的を射ていると思います。
もちろんこの部分について異論はありません。
しかしもっとも重要なところは「トータルトラベルタイム」だと思います。
まず使用する空港が違う、ターミナルが異なる場合があります。
東京の拠点は成田空港を拠点とする場合が多くあり、その中でもジェットスター、春秋航空、バニラエアは鉄道駅のないT3(T2から徒歩15分)、ピーチはT2南到着階の1階でチェックインです。
いずれも特別に設けられたスペースで、一般的にイメージしにくい場所にあります。
今回使用した新千歳は全社同じターミナルを使用しますが、ジェットスターは最果ての出発階Nカウンター、ピーチとバニラは1階の到着階でチェックインを行います。
いずれも公共交通機関の駅からかなり歩く位置にあります。
これらの場所をイメージできないと、空港で迷子になってしまうので、その分時間に余裕を持たねばなりません。
また預け入れの手荷物がある場合、有料なのはもちろん、この預け入れ時刻にもシビアな時間設定があります。
少ないカウンター数で一便あたり最大180人分の作業を行うので、いろいろ考慮すると最低でも2時間前には到着しておきたいところです。
今回は成田⇄新千歳の利用を想定してシミュレーションしてみます。昔よくやった出張がLCCに変えられるかやってみます。
1泊の出張で到着後そのまま用務先(岩見沢)で行くとして
X/X 成田 8:00 新千歳 9:40 ジェットスター105
x/x+1 新千歳 19:45 成田 21:20 ジェットスター114
のスケジュールで予約します。
これより早い往路、遅い復路にバニラがありますが、オンラインチェックインでのリスクヘッジをしてこの選択にしました。
成田→新千歳
この場合、成田への理想到着時刻は6:00、預け入れ手荷物が無くても少なくともT3には7:00についていたいところです。
この便の搭乗開始時刻は7:30、保安検査場の通過は7:40までに完了している必要があります。
成田T3へのアクセスはバスが便利ですので「アクセス成田」1000円を使います。
そうすると、始発のバスに乗ることになりますから、 東京駅を5:40発ということになります。
このアクセス成田は予約不要ですが、予約していないと最悪乗れない場合もあります。
結構なケースで満席があるので、事前に予約する場合は競合他社の京成バスがオススメです。
さて、東京駅に5:40に到着できる人がどれだけいるかという所も注目せねばなりません。
当時住んでいた場所は川口で、調べてみたところ
十分可能です。
4:38は始発電車です。
同じ電車に乗って、羽田空港へ向かった場合
5:37に到着します。
バスに乗り込む前に、羽田に到着してしまうわけですね。
この後は以下の便に乗ることができます。
6:20-6:50の始発便には余裕で乗れてしまいます。
当時は6:20のANAか、6:30のJALで飛んでいました。
もちろんオンラインチェックインをしていくこともできます。ただ、上級会員でもない限り手荷物検査場の混雑は避けられません。
飛行機に乗って新千歳には7:50から8:20には着いてしまいます。
余談ですが、今乗っているジェットスターの機材(JA04JJ)はついに機材不具合を解消できずに、一旦降機、手荷物を全て返却という流れになってしまいました(TT) 今日に限ってケツカッチンなのに〜
こういう場合乗っちゃいけないという良い事例でした。
話を戻します。
仮定での便が定刻に出た場合、新千歳空港には9:40頃に到着します。
成田空港は混雑時間帯というものがあり、この時間にかぶってしまうと滑走路で30分から1時間待機させられることがあります。
30分以上遅れた場合は定時に到着することは難しいです。
その後は用務先に到着する時刻は
11:30頃 うーん 4:30にでて11:30到着なら7時間か。
この後仕事しろと言われても辛いなあ。
一方、レガシーで行くと10:00に到着。
5時間30分で着きます。
いつもはもうちょっと早く、10時待ち合わせ、9時半到着だったかな。
電車ももう一本後でギリギリ25分前到着でダッシュで乗り込んでた。
用務先での用事が午後からならLCCでも行けることは行ける。が、さすがに辛い。
時給にしたらすごい金額になるので、計算しない。
新千歳→成田
x/x+1 新千歳 19:45 成田 21:20 ジェットスター114
この便に乗り込むためには、新千歳に最低でも18:45には着いておきたい。間違いなくオンラインチェックインしていく必要がある。
用務先は17:20頃に出発
もちろん電車が遅れたり、用務先でなんかあったら1泊追加、買い直しの刑に処される。
空港にはほぼ1時間前に到着。
端っこゲートになるので、お土産は素早くチェックイン前に購入しておきたい。
定刻に飛行機が出発すれば御の字。
最悪欠航、普通は少し遅れている。
定刻にフライトを終えた場合、成田空港のT3には21:20到着。
この後アクセス成田は
こんな感じです。
東京駅に着くのは23時回ってます。トホホ。
さらにそこから30分ほど京浜東北線に乗っていくわけですよ。
なんと着くのは24時。
所要時間6時間40分。
スカイライナーを使えば23時には自宅に!
ただし経費は倍になるがな!
仮に同じ時刻に用務先を出て羽田空港に行くならどうか
この辺りの便に乗れると思われます。
19:30のANA便なら羽田には21:05に到着、
その後は自宅には
22:30に到着。
所要時間は5時間10分。
帰りはいい勝負をしている気がする。
ただしこれは定刻で出た場合。
結構タイトな機材繰りをしているジェットスターが定刻に着くわけがない。
先ほどのディレイの進捗ですが、機材をJA04JJからJA03JAの別機材に変更したことで3時間程度の遅れで出発できそうな見込み。
で、JA04JJはどうなるかって?成田行きに押し付けました。これは結構を出すより、全便に遅れを拡大させた方が、最終的な費用が安いから。
JA04JAがある程度の時間で回復しなければ、次新千歳に到着する便で、成田行きを仕立てる。
で、それの折り返しに乗ろうとしていた客は、待たされる。
ディレイシェアリングするわけです。
根本的に余剰機材を持たずに運用している航空会社では、こういったことは日常茶飯事で発生します。
LCC=余剰機材がないというわけでは無いので、全てのLCCがこういう風な運用をしているわけではありません。
万が一ディレイした場合、最終の接続は23:10発、翌日1時着です。
23時は成田の門限なので、さすがにそこまで遅れると結構になる可能性が高いです。
つまりこの便においては1時間半程度のディレイで結構する可能性が高くなります。
1時間半程度のディレイは、正直頻繁に発生すると言わざる得ません。
どうして遅延が発生するか
LCCの運用形態は、基本的に経営的に理想的なダイヤを体現しています。
お客さんは軍隊のように統制がとれて、通路などで立ち止まることなくサササと乗り降りしてくれれば何の問題もありません。
しかし公共交通機関(それも専ら観光用の)である以上、そうした乗客は稀で、通常の会社よりも乗り降りに時間かかる客層が多いです。
加えて手荷物が有料なので、オーバーヘッドはパンパンです。
多くの旅客は自分の席の直上に入れたがりますが、そのスペース探して、着席はスムーズに行きません。
使用している機材はA320という通路が1つしかない機材です。2つあったところでそう変わりませんが、理想的な全員着席までの時間は15分です。
残念ながらこの時間はなかなか達成できていません。
また降機時間ですが、これも通常の会社より多くの時間がかかります。
手荷物が多いこともさることながら、我先に降りたがる乗客が多いからです。
狭いところに閉じ込められているという事や、遅れているので少しでも早く降りたいなど様々な要因はありますが、一番後ろの乗客でおよそ8分程度待ちます。
飛行機が空港に駐機している時間など30-40分程度しかありませんから、乗客を降ろした後、わずか5-10分ほどで次便の折り返し準備をしなければなりません。
出発の20分前には客がなだれ込んできます。
少しでも時間を稼ぐため、各社「手荷物の収納は一歩内側へ入って、後ろの客を通せ」とアナウンスしてます。
本当は「機内に入る前に荷物は速やか上に収納できるよう手に持て、自分のせいで後ろがつっかえてないか見ろ。
あらかじめゲートで座席番号で6列横隊作ってから入って来い!」ぐらい言いたいのではないかと察します。
LCCの顧客は、その値段でしか乗れない顧客も多いわけで、既存のキャリアから転向した顧客というのは少ないはずです。
いわば、会社が狙っているフリークエントトラベラー層ではなく、どちらかと言えば既存キャリアに乗るべきなビギナー層が大量に乗ってきて、飛行機を遅延させる要因を作っています。
一回の遅れは10分でも、積み重なったりすれば1-2時間あっという間です。
飛行機が遅れれば、出発に際して要求するクリアランス(飛行許可)をやり直さねばなりません。
定刻で飛べばスムーズに離陸できたものが、わずか5分出発するのが遅れたがために、滑走路で30-40分待たされるような事態になる事もありえます。
ではどうやって遅延を起こさないようにするか。
- 機材後方から前方に向けて搭乗する。(これはどこもやってますが)
- 窓側(A/F)→中席(B/D)→通路(C/D)の順番に搭乗する(これは日本ではあまりウケない方法)
- 乳幼児を後方に固める(一便あたりの乳幼児の乗れる人数は限られていて、同じエリアに何人というのも決まっているので、実質上限を絞るしかない)
など書き始めたらちょっとキリがなくなりそうなので乗客ができることを書いてみたいと思います。
定時運航のため乗客ができる11の事
- 空港には1時間前までに到着。速やか搭乗手続きをおわららせて、30分前にはゲートに行く。
- 手荷物は座席の下に収容できそうなものを選ぶ
- オーバーヘッドへの収納は場所にこだわらない。
- スーツケースは基準を満たしたものを専有面積が少なくなるように入れる。
- 降りるときに、シートベルトは長さを戻して、ハの字にして降りる。
- 乗るときは後方キャビンから〜という放送に反応して乗る。
- 乗る前にカバンは手に持って。
- 降りるときは通路→中→窓で、固まって降りない。
- ゴミは機外で捨てる。
- トイレは綺麗に使う。
- 前の棚は安全のしおりが一番前に来るように整頓。
ぐらいですか。
なんか学校の校則みたいだなあと思いますが、安いってことはそういう事だと思います。
まとめ
さて、自分の旅行はLCCと相容れられそうでしたでしょうか?
残念ながら仕事で使うのはちょっと厳しいかなと思いました。
何よりも、定時に飛べない時に待つしかないというのは、実質、時刻表がないのと同じです。
その用務先に、あるいは帰ってきた後が特に用事なないのであれば活用可能だと思います。
これを時間厳守の仕事に用いるのは、高速を200kmで走れば約束に間に合うと考えている事と等しいです。
帰る間際にちょっと時間ある?などと言われて断われればいいですが、そうでもなければ乗り遅れる事になるでしょう。
特に最終便で定時に到着せず、空港で一夜明かす羽目になったという人は多くいます。
今回の札幌往復で考えれば、コスト的にはスカイマーク、一般的には既存キャリアの選択になるのでは
ないでしょうか?
LCCの飛行機はいわば、国民186名の小さな国です。
支払った運賃に見合う座席が提供され、たとえ他に空席があるからと云って移動することは許されません。
既存キャリアでは、同じクラスの座席であれば、移動を許容してくれます。
出発時刻を迎えてしまえば、その空間に価値がないという観点からです。
一方LCCはその座席に座る権利、あるいは一般に比べてスペースを確保する権利を付加価値として販売し、金銭を収受していますから許されないのです。
空港においても、全員を平等に取り扱い、同じ船の中他人の存在に敬意を払う(我慢と同義ですが)ことで、快適な空の旅になります。
全てのサービスは付加価値として販売されています。スマイル0円というわけではないのです。
一時マクドナルドは自身が「レストラン」である事を主張したことがありました。
ファーストフード店だからといって食べ物の持ち込みや、長時間の座席の独占をやめてほしいという切な願いだったのです。
LCCにおいてもルールは守ってほしい、それは収益の為であり、将来また乗る機会を確保するためでもあります。
自分の出張は重要事項であるという主張はこの場において認められません。
また欠航時にサポートを要求しても、既存キャリアに比べては多くのことを望めません。
なんでも自己裁量で解決できればいいでしょうが、出張にあえてLCCを選ぶ会社では、実際に乗っている社員にそこまでの権限がない事がほとんどでしょう。
遅延した時に、用務先に謝るのは自分です。
会社の経理は振替便のお金はだしてくれるかもしれませんが、失った時間は帰ってきません。
時間とお金を使い最大限価値を生み出すのが、公共交通機関の正しい使い方です。
より多くの人にその選択肢が与えられ、見合ったものを選ぶ事ができる世の中になった事は喜ばしい事ですが、同時によく理解せず、条件に合わない不利な選択をし、結果的に時間もお金も失うような事になる事は時折取り上げられます。
麻薬のように甘い「低価格」という魅力だけに囚われず、今一度手間を惜しまずに自分の購入する商品を見直して、楽しい旅行をしていきたいものです。
最後に、結果的に乗った航空機は3時間の遅れで中部国際空港に到着しました。
今日予定していた用事は当然キャンセル。
お腹は空くし、やる事は溜まるしで散々でした。
ですが、また使うでしょう。
今回の事案を最大限の糧にして。