イントレピッド海上航空宇宙博物館に行ってきました。
みぞれ雪降る中
ホテルからほど近い、イントレピットミュージアムに向かいます。
この日は天気が最悪で、海沿いに近づくほど寒くなってきました。
外はビルの屋上がかすんで見えてきています。
エセックス級航空母艦(空母)を使った航空機展示型ミュージアム。
少しタイミングが早すぎて、開館時間まで時間があったので出直します。
出直し
改めて出直します。
空母の飛行甲板はビルだと4-5ぐらいの高さになります。
日本のヘリ搭載型護衛艦「ひゅうが」もこれぐらいの高さだったかなあと思います。
潜水艦
グレイバック級潜水艦グロウラー USS Growler SS/SSG-577
1958年より1980年まで運用。
退役済みですが本物の潜水艦です。
中に入ると、弾薬庫からスタート
魚雷発射管が2問見えています。横に見えているのはベッドではなく、魚雷を格納しておく場所です。
下士官寝室。ベッドサイドの銀色の正方形の扉は、私物入れです。これだけしかスペースがありませんが、実質私服、私物がないのでこんなもんでしょう。
昔の寝台特急の3段式寝台のような感じです。
中国の列車の硬臥にも似ています。
ただし、下段が一番狭く、中段と上段がほぼ同じです。
横に転倒防止策とはしごがないので危ないのですが、実はここで熟睡することはあまりまりません。何かあればすぐに飛び出ていかなければならないので、邪魔なのです。
世界中の軍艦は交代勤務でワッチ業務を回しており、1直から4直(勤務形態)まであります。
航海中の一番穏やかな勤務体制(4直)下での4交代だと3時間働いて、9時間休むを繰り返していきます。そのほかに当番として士官室係やしゃり番といった役割を与えられると、その中でこなしていかなければなりません。
たくさんの計器が並んでいるこちらは機関科員の作業場。
椅子の具合から見るに、士官1、下士官2名ぐらいの配置です。
艦内の電源の調子などを見ます。
こちらが士官室。2名部屋ですが、基本的にはなるべく1名の在室になるように工夫されています。
艦にもよりますが、洗面台のほか、トイレがついているものもあります。
プライバシーは保たれますが、あまり広くはありません。
士官室。こちらは艦長以下士官が打ち合わせするスペース。
実質、小会議室のようなものです。
こちらは艦長寝室です。
化粧板できれいにされて、やっと部屋らしくなってきました。
空調(といってもファン)、洗面台、ベッド下にソファがあるだけで、客船の2等寝室より息苦しいです。
潜水艦のデメリットとして、窓がなく外が見えない、酸素が有限であることから非常に息苦しい環境となっています。
そのため、個室であってもプライバシー面より環境面で開放寝台の方がいいという方が多いです。
こちらは先任曹長寝室です。CPOとはCheif-Petty-Officerの略で、日本の海上自衛隊でいうと、先任海曹長とかになります。ちなみに先任~というのは正式な階級呼称ではありません。下士官の中で誰が先任かという事は袖の階級章の下にある、Vの字型のワッペンでわかります。
よく、伍長とか兵長とか耳にすることがありますが、時代によってもその地位は違いますが、伍長は下士官のなかでは最も位が低く、兵長はさらにその下です。
なので部隊を動かす権限もありません。
テレビで主役を張ろうとすると、艦長(大佐)や科長(中佐、少佐)クラスではないでしょうか。
その点においてガンダムは非常に理想的です。
手前に見えている、ハンドル付きののぞき穴は潜望鏡です。
潜水艦を題材にした映画では必ず出てきます。
これがまた、はっきりくっきり見えます。
艦長=ここが定位置のイメージがありますが、潜望鏡深度というのはそんなに深くないので、これが活躍する機会はそう多くはありません。
こちらが花形の操舵室。
水上艦でいえば、艦橋になります。窓がないのでパッと見イメージがわきません。
3次元の動きをする潜水艦ですので、当然配置は多く4名さかれています。
こちらは食堂。士官は士官室で食べる(ことが多い)ので、基本は下士官と兵の利用ととなります。
とにかく狭いので、利き手一本で、書き込むように飯を食べろと教えられます。
兵なんかはバッカン(プレート)片手に立ちながら食べます。
しかし丘に上がるととてもマナーの悪い行為なので、両手を出して顔を上げて食べろと言われます。
たまに海軍スタイルで片手で食べてる人を見ますが、あまりマナーの良い仕草ではありませんね。
続いて、シャワー室。
船のシャワーって海水?真水?と気になる方は多いと思います。
ズバリ、、、、海水です。
艦にとって真水の管理は非常にシビアな問題です。
ネザ(燃油残量)、ミザ(真水残量)の数値というのは誰もが頭に叩き込まれている数字で、その使用は=死活問題になるので無駄にはできません。
このコントロールを真水管制といいます。
よって、最低限度でしか真水は使うことができないため、大量に水を使うシャワーは海水という事になります。
これが傷口や目に入るととても痛いのですね。
もちろん、料理に出される水や洗面台の水は真水です。
以上で潜水艦の館内ツアーは終了です。
最後は搭載の魚雷でお別れです。
甲板に上がって、
お別れです。
続いては、、、
コンコルド
ブリティッシュエアウェイズ塗装のコンコルドにやってきました。
巡航速度マッハ2.04(約2,160km/h)で、定員は100名しかいないという、また極端な乗り物です。
全長61.6m、全幅25.5m、高さ12.2m、機体の幅は2.88mです。
広い翼は合計358m^2あるそうで、テニスコート4面以上あります。
美しいエアインテーク。特別な機材であることが一目でわかります。
エンジンはロールスロイス、スネクマ オリンパス593 Mk610というアフターバーナー付きターボジェットエンジンです。
パッと見わかりにくいですが、4基のエンジンを搭載しており、A380やB747同様4発機なのです。
今日当たり前となっているフライ バイ ワイヤー(機内にケーブル回線を敷設して電装部品と交信する)を世界に先駆けて実用化した機材で、フラップなどは電気信号によってコントロールされています。
そんなの当たり前になってしまった今ですが、昔は油圧で動かしていました。
昔のアニメの表現で、操舵桿を無理やり動かしてぽろっと外れる描写がありますが、あれは油圧が聞かなくなったものを手で何とかしようとして、壊れたという事なのです。
フライバイワイヤーになってからは、すべて電気信号を送っているだけにすぎませんので、中のばねが壊れているのでもない限りハンドルが取れることはありませんし、もし万が一電装部品(モーター)が動かなくなったからと言って、ハンドルが取れるほどの力で操縦しても全くの無意味です。
私はコンコルドに乗ったことがありませんが、実は2003年11月26日が最終運航日と、比較的最近まで運行されていました。
主な運航路線は
エールフランスが、CDGーJFK、CDGーDKR(ダカール)ーGIG(リオデジャネイロ)
ブリティッシュエアウェイズがLHRーJFK、LHRーIAD、LHRーBGI(バルバトス)、LHRーBAHーSIN、LHRーIAD-DFW
です。カリブの島や、南米、アフリカに就航しているのが驚きです。
プロトタイプ、シリーズ100、101、102と作られ、1969年3月2日の初飛行から1979年4月20日の最終製造機の初飛行までの間に20基のコンコルドが製造されました。
製造番号203がCDGでの墜落、211が1994年に解体される以外、残りの18機はイギリス、フランス、アメリカ、バルバドス、ドイツ、スコットランド、に展示保管されています。
ここイントレピットミュージアムに展示されているのは、シリーズ102 G-BOAD 量産型10号機で初飛行は1976年8月25日、一時はシンガポール航空との共同運航便となり、塗装もシンガポール航空のものに塗り替えられ、最後はアメリカのブラニフ航空にリースされる(N94ND)という際物の機材です。
イントレピッドの中へ
寒くてたまらなくなってきたので、空母の中に入ります。
格納甲板の中には、いろいろな機材が展示されています。
回転翼機材にはめっぽう弱いので機材はなんだかわかりません。
こちらはVF-33のはずです。wikiをしらべると、もともとイントレピッドと同じ時代を生きた艦載型の戦闘機です。
日本にも配備のあるF-4戦闘機と同じ時代の設計の航空機です。
艦載航空機についてはざざっと流していきます!
SR-71 ブラックバード。
艦載機でない機材が飛行甲板にいるのは激レアです。
F-14 トムキャット
イントレピッド艦橋
空母の特徴として、環境は右舷に寄っています。
中に入ることもできます。
ほかのお客さん。
こんなに厚着していても寒いんですよね。
冬のワッチは死にそうになります。
スペースシャトル
飛行甲板の後部に別区画が設けられ、エンタープライズ号の展示を行っています。
後半はざざっと流してしまいましたが、楽しい見学でした。
もう少し晴れて、温かければ詳細にレポートできたかもしれません。