中東旅行回想録44 最低最悪の危険な観光地 ルクソール Hotel Achti Resort Luxor (元シェラトンルクソール)宿泊
駅舎を出てすぐに、タクシーの営業が始まる。
どこ行くんだ、いいホテルを紹介しようか?
余計なお世話である。
口だけならまだしも、人の荷物をひったくり、タクシーまでもっていく。
大げさな表現ではなく、本当にひったくる。
スーツケースだったら、しっかり握ってないと、奪ってタクシーのほうまで逃げられる。
バックパックは、前のバックルを締めてておかないと、後ろから引っ張られて持ってかれる。
こいつらに強盗の意思はないんだろうけど、やはり悪人の血筋なのでこの手の強奪法は上手に確実な方法を実行する。
予防策と言えば、先制攻撃である。
結局時間も惜しいということで、タクシーに乗ることにした。
人を何人もだましてきたような奴らの中で、比較的増しそうな奴が、まだ納得できそうな値段、40ポンドで行くというので乗る。
乗り込むと、運転手の知り合いだと名乗る男一人乗ってきた。
こいつが癌だった。
向かっている途中で、感じさせるテクを一通り披露し始める。
ハロートモダチ
ドカカラキタ?私、熊本でハタライテタヨ
日本のリョコウガイシャのJTBでハタライテタネ知ってる?
私スバラシイツアーアナタニショウカイスル。
ガマベントライセンスモモッテルヨ。
いくらか知ってる?タカクナーイ
フダンハ300ポンド。ツアーの人はこの値段払う。
でもアナタトワタシトモダチデショ?
今日はスペシャルプライス100ポンドでいいよ。
その代わりチップチップだよ。
最後でイイデスカラ、チップをクダサーイ
OKラストプライス80ね、じゃイキマショー
とここまで一息で話す。
ある意味すごい。
なにかしら返事すると相手のペースに巻き込まれるので、無視をしていたんだけど、本当に行き先を変えそうだったので、
「私はあなたのような、小汚いエジプト人とは友達にならないし、ましてイスラムのテロリストのようなあなたとは関係など持ちたくない。こうして同じ空間にいるだけで不愉快だ。日本?熊本?ならなんであなたは今ここにいる?日本でもまともに働けなかったような弱い人間と一緒に旅行して何が楽しいんだ?」
とこちらも一気に罵倒した。
その後もグチグチ言っていたが、結局ホテルに到着。
着いた瞬間に「チップを10ハラエ」
と言ってきたが、無視してホテルに入る。
このタクシー運転手。また乗ることになるんだけど、ここまで友人のことを罵倒していても、次ぎ会うときはニコニコ。
この運転手に限った話ではなく、イスラム国で怒りを感じた場合、できるだけその場で怒りを解消したほうが得策だなと思う。
普段怒りっぽくない人なら、相手の人格や変えられない部分を攻撃すると、よりすっきりした気持ちになれると思う。
日本だったらこんな攻撃したらまずいよな、と思うことを言うと、結構爽快だ。
これだけ罵倒することが認められている国も、まあないよな。
さてチェックイン。
ちゃんと塗り替えられてます。
予約したのは11月ぐらい。値段はコミコミ70ドル。
シェラトンにしては安かった。
アーリーレイト(早朝到着、16時アウト)も確約取れた。
が、なんと出発直前になって、このホテルのサイトにアクセスできない。
なんで~と思って、SPGに電話したら、
「このホテル、どうやらなくなるみたいですね、、、その後は営業するのかどうか、、、はっきりしてないみたいです。予約しているレートがNonーRefなんで、、、今のところどうしようもないです。万が一ホテルに泊まれなかったら返金しますけど。」
そんな情報をもらい、どうしようかと思いながら現地に向かった。
新しいホテルは営業しており名前はAchtiHotelとい
リブランドした経緯の結論を先に行ってしまえば、、、シェラトンに謀反を起こしたらしい。
どうやらホテルの所有者だった人が、資金難に陥り、現在シェラトンに貸しているこのテル施設とその従業員を、Achitihotelに売却、移譲した。
シェラトンのほうが賃料支払わなかったのか、単にオーナーが資金工面できなかったのかは謎のままだが、とにかく急だったらしく、従業員先月初めて知ったと言ってた。
で、その従業員の制服はシェラトンのままの真っ黒なスーツで、ホテルのいたるところにシェラトンらしいものが残っていた。
さて、そんなリブランド話、SPGは知らなかったのか、交渉が決裂していたのか、はたまただまされたのか、備品の差し押さえにかかってた。
まずチェックインにしてみれば、その予約システムにアクセスできず、かなり混雑しており、一人さばくのに30分以上かかる。
いざチェックインするにも
「で、おいくらで予約したかわかるものはありますか?」
と聞かれた。
こんな調子だから、部屋のアサインもめちゃくちゃ
XXX号室と、XXX号室、XXX号室が今空いてるから、見てきて気に入ったものを使ってください。
今までにない新鮮な体験である。
ただこの見に行くにしても、一人つくのでさらにチェックイン作業の効率が落ちる。
その選択に上がってきた部屋は
A.1ベッドでカギの開け閉めは都度連絡してほしいというスイート
(アナログキーで、今はスペアがないので)
B.2ベッドで普通のツイン
C.2ベッドだけど、長らく掃除してなくて、掃除のスタッフを手配できないから埃っぽいまま使ってくれるならOKというバンガロー
連れとも話して、Bにした。
レイトのほう、確約取れていたのも話が流れ、
「できるだけ早くチェックアウトしてください、私たちも明日何人来るかわからないんです」
と言われた。
話にならないので、会議中でいないマネージャーに16時で確約させるように言い、部屋に行く。
もうシェラトンじゃないし、、、と思って部屋の写真は撮り忘れたんだけど、まあ普通のいい感じの部屋だった。
ツアーで使いそうな、狭いけど普通のビジネスホテルみたいな。
部屋からはナイル川に沈む夕日も見れたので、70ドルならこんなもんかなと思う。
ただし、アメニティは全部回収されており、シャンプーなどは安そうな小瓶に入っているもの、歯ブラシはなし、タオルは使い回しでボロボロになって穴の開いていたもの(雑巾かと思った)、ベッドの下には砂と埃がたまっていて、電球も1つキレていた。
まあ、残念なことこの上ない。
当然シーズンじゃないので、プールで泳いでいる人はおらず。
このプールの近くに船着き場があるので、壁伝いに不審者がいっぱい入ってきおり、敷地内でボートツアーいかないか?なんて営業をかけられる。
外寄りはもちろんやんわりしているけど、敷地の中に不審者がいる時点でホテルとしてはセキュリティ管理能力が問われると思う。
バンガローのほうにはアヒルがいる。かわいい。
ぐえーぐえー 餌よこせぐえー
と鳴いていた。
餌もらってないのかなかわいそうに。
見た目は素晴らしい!しかしシーズンではないから、こっちに泊まるお客さんいないんだそうで。この辺にある備品も差し押さえられるんだろうか。
お店関係は、そのまま出て行った人と、残った人がいるみたい。
ひととおり見た後は、市内観光に出かける。
ホテル前からタクシーを捕まえ、渡し船乗り場まで行く。
50とか言われたけど、30ま値切った。
その後の展開は、ホテルまでのタクシーと一緒。
渡し船。
値段は1ポンドの半分らしいけど、今は1人3ポンドとかいう。
そんなはずないので、他の人の受け渡しを見ていると、やっぱり1ポンド渡して釣りをもらっている。
とりあえず2人で2ポンド渡して、納得してもらい、その後で1ポンド渡して穴あきと普通の25ピアストルを、合わせて6枚ぐらいもらいった。
計算できないバカが会計やってると助かります。
いや、バカがやってるせいで船一つ満足に乗れない。
船の中でもスムーズにいかないのがエジプト、
ロウアーデッキは女性用、アッパーデッキは男性用になっている。
当然アッパーデッキは悪そうな奴がいっぱいいる。
もちろん向こうから声をかけてくる。
もうその辺は省くけれど本当にうざい。
景色みたいのに、目の前に立ちやがる。
とりあえず無視しているうちに到着。
ここルクソールの対岸地区を観光するには自転車が便利。
便利だが、そういうものにはトラブルがつきもの。
事前に調べたのもだと、
デポジットに預けたお金、パスポート、クレジットカードが帰ってこなかった、または悪用されたという関係。
自転車で走り出してから、しばらくするとポリスに呼び止められて、それは盗難車と言われて、逮捕を見逃してやる代わりにワイロをよこせというもの。
自転車に傷がついたということで、弁償を求められるもの。
駐輪してた時に、別のカギをつけられ、あるいは座面を外され、お前の自転車を取られないように見張っていたという男バクシーシを要求されたというもの。
自転車そのものが盗難にあい、弁償を要求されるというも(自作自演)
など調べればきりがない。
同じように自転車観光する場所は、カンボジアのアンコールワット遺跡群や、ミャンマーのバガンなどたくさんあるが、そのような場所でこう言ったトラブルには合わなかった。
調べてもあまりないように思う。
しかしここは警戒して、今回は残念だけどこれ以上新種のトラブルが起こるのを回避してタクシーかバスしようということにした。
最初の遺跡、ラメセス3葬祭殿に行く。
船着き場からまっすぐ行くだけなので、道を走っているバスに飛び乗ればOK。
到着。あまり時間がないのでサクサ観光していく。
このころには、もう遺跡に飽きてきており、早く回り終わってホテルで休みたいと思っていた。
次の遺跡、ハトシェプスト女王葬祭殿
ここまではタクシーで。
ここは昔テロが起き、外国人観光客がイスラム国テロリストに襲われたくさんの方がなくなったらしい。
確かにこの建物の形状、狙い撃つには非常に有利な建物だ。逃げる場所ないし。
祭りの射的ゲームのひな壇のように見える。
イスラム国テロリストを張り付けて、ここで処刑すれば、なかなか演出としては凝ってるんじゃないか。
天気も良くて暑くなってくる。もう観光いいやーって気分になってきた。
なんかこの辺で連れと「ツアーってさ、いままで嫌なイメージしかなかったけど、この国はツアーのほうが絶対楽だね」と話した。
次。
王家の墓
ツタンカーメン王の墓とかあるところである。
ここまでもタクシー。たしか40ポンド、歩くの嫌なので敷地内の観光列車も乗る。
この観光列車の切符は往復なので、捨てないように。
個々の施設、写真が一切禁止。持っていったら面倒なことになるので、あらかじめ隠しておいたほうがいい。
チケットには5つの墓穴に入ることができるようになっており、その中でもツタンカーメンの墓は別料金を取る。
王族の中にはアメンホテプという王がいて、一瞬アメンボデブに見える。
ツタンカーメン王の墓では、ツタンカーメンよりも、その中の丁寧な養生の美しさに感動した。それもそのはず。日本がやってるんだから。
写真も取れないので、入っては出てを繰り返して、1時間ぐらいで後にする。
次 ルクソール神殿。
もう閉まるギリギリの時間だった。
そのうえお腹もすいて、飽きてきてもいて、あまり頭に入ってこず。
遺跡が一望できる丘。
こういうところは、大体手前に小汚い乞食がいて、上るならバクシーシと要求してくるのだけど、この時はいなかった。
で、上でちょっとの時間ぼーっとしていたら、下から呼ぶ声が。
どうやら管理している乞食らしい。
かかわるとめんどくさいので、一気に駆け下りて、逃げることにした。
乞食の両隣を駆け抜けて、人込みまで走る。
乞食は大声を出しながら追いかける。
走りにくそうなズボンとシャツで足がもつれ、盛大に転ぶ。
痛快だね。
周りで見ていた観光客には!
いいぞ!
と声援を送られた。
現地の観光客は、エジプト人を憎んでいる。
殺意まで抱いている人だって少なくない。
それぐらい不愉快な存在なのだ。
だからこそ、こういうひと泡吹かせてやるようなアクションは観光客に受け入れやすいし、周りも助けてくれる。
追いかけられた後、そのままもう外に出て、ホテルに帰ることにした。
夕日はやっぱりきれい。ホテルの中は外の修羅場を忘れることができる。
一休みした後、ご飯を食べに外に出た。
日本食か、韓国か、中華かと思い、それぞれ出向いたが、予想通り日本食は高すぎ、韓国はクローズ、中華はぼったくられそうな店構えだったのでやめる。
韓国だけは場所がわからず、しぶしぶ炉端にいた高校生ぐらいの小僧に聞いたのだけど、こいつが非常にうざかった。
ただで教えてくれる奴はいないので、いつも5ポンドぐらい渡すようにしているのだけど、こいつはもっと金をくれ、たばこをくれ。とくっついてきた。
腕をつかんだり、ポケットに手を入れてきたので、さすがに2人とも切れて
さんざん言っても離れないので、怒鳴り、突き飛ばした。
盛大にこけて、心がすっとした。
イスラムは手を出したら負けいうけれど、あれは嘘だと思う。
カイロでもそうだけど、殴られたり、けられたりってのは日常的に起こる。
向こうの思い通りにならなかったときに、当てつけにやられるのだ。
こういう時に、先進国的な考えをしてはいけないと思う。
そんな悠長なことをしていたら、殺されてしまう。
暴力をふるうイスラム国には、足腰立たぬまで殴り飛さなければわからない。
それは集団テロリストでも、個人のチンピラでも一緒。
一人でが無理なら、何人かでまとまればいい。
集団は躊躇するかもしれないし、結局暴力の行使にも躊躇するかもしれないが、
それは我々が、今までイスラムの横暴に対して目を背けて、切り離して考えてきたから。
いまや無視できないイスラムの横暴には、世界が一丸となって適正に管理監督していかねばならない感じた。
これは差別ではなくて、区別。人として同じ扱いができないなら、それは教育でなくて飼育。
ったく、ご飯を食べるだけなのに、なんでこんな思いをしないといけないんだ。
結局よさそうな、バーに入る。
値段はそこまで高くなく、酒類の提供もある。
味もなかなかおいしくあたりの店だった。
エジプト人にすればかなり高い店なのか、エジプト人カップル1組座っている以外、すべて外国人だった。
そのカップルも、どうやら真剣に口説いている。
どうやら今晩のお誘いがうまくいったのか、30分ぐらいすると、写真を撮ってくれと頼まれた。
画面越しに彼は、鼻の下が伸びきっており、誰から見ても嬉しそうだった。
次の日は、連れが日本に帰るので早めに寝た。
遅くともホテルは8時ぐらいに出る必要がある。
日本に帰れるということで、連れも同様に嬉しそうだった。
翌朝、連れを見送って、部屋でまったりする。
今日はチェックアウトま外出しない。
そう決めていた。
念のためにと帰りのチケット確認してみると、なんと!
それぞれ
にダウングレードされているではないか~!
殴り飛ばしは天罰かしら?そんなことはどうでもいい。
このままエジプトにいたら、本当に人を殺しそうになるので、早めに帰ろうと思う。
ついでに、帰国を前倒しにすることにした。
すぐさまアメリカン航空に電話。
と思ったらWifiがつながらない。
アクセスコードの有効期限切れ。
フロントに確認すると、1日お使いいただけるのをお渡ししたはずですが?
って。
1日じゃ困るんだよヴぉケが!
すごくめんどくさそうにもう一枚差し出す。
なんでめんどくさそうなんだよ!ヴぉケが!
ホテルの中にいてもエジプト人による嫌がらせは受けます。
バンコクー香港はもうファーストクラス設定がないので、CXにコンペ交渉してって。あーイライラする
16時にチェックアウト。
もう一回夕日を見てからタクシーで駅に。
定刻1830の電車でアスワンに向かうつもり。
駅到着!
さて駅に入る。
切符を買おうとしたら、今日の分は車中で買ってと。
到着したのは30分前。
ホールの風景でも写真撮るかと思い、写真を撮っていると、すぐ横にある車両修繕所のおやじに写真を撮ってくれと頼まれる。
ま、断るのもあれだしと思いパチリ。
でほかの仲間も呼び始めた。楽しそうである。
ここで問題が発生する。
どうやらこの写真を撮るのに呼ばれなかった奴の気に障ったらしく、仕事仲間と思われる奴が、ぎゃあぎゃあ言いながら、とびかかってくる。
これはやばいなあと思い。ホームに避難。
くそ土人が!と思いながらとぼとぼ歩いていると、警官にちょっと来い!と呼び止められる。
ははーん、多分さっきの写真の一件だなと、察しがいったので、SDを抜いてか警官の相手をする。
案の定その通りだった。
「エジプトで写真を撮るにはガバメントライセンスが必要だ。なければ逮捕する。写真を見せろ。」
といわゆる腐った官憲というやつだ。不思議なことに、取り巻きもいて、それぞれ小道具を手にしている。エジプトでは一般人が道具を使ってけんかをすることはまれなので、こういうやつは普通じゃないと判断できる。
口の中がアドレナリンの味がする。これは公式に全身全霊をかけた殺し合いが始まるということだ。あとはどこでゴングが鳴るか。
「とってないよ~、おバカさんだね。ハハハ。」と小ばかにするように返事をしてそのまま立ち去ろうとした。
でも声は震えていたと思う。
そして、子分が行く手を遮る。
手に持ったこん棒で胸を突き刺してきた。
警官も、拳銃を手にした。
「パスポートを出せ」
それを合図に、その棍棒を持った男にとびかかった。
「道具持ってるな、使ってみろやあ!」と言って、道具を奪い、男の頭に振りかざした。
そこからは覚えていない。
ホームにいたほかの人から教えてもらったことなのだ、
本当に一瞬で決まったという。
殴られて床に伏せた男に何度も殴りかかったらしい。
他に噛みついたり、首を締め上げたりたりしていたらしい。
これはやばいと思った、周りが止めに入り休戦。
警官と子分は、決まりが悪そうに帰って行ったらしい。
荷物は、、、ある。
口の中が血の味がする。
奥歯も折れてる。
ああ、ひどいな。
とりあえず、ロキソニンを飲んで、落ち着かせようとする。
しばらくぼうっとしていると、反対ホームでまたトラブルが起きた。
サンドイッチの屋台をやってる子供と客の小僧が、口げんかの上、興奮して手に包丁を持っている。
サンドイッチやの兄と思われる包丁を手にした弟をなだめかせながら、包丁を取ろうとする。
しかし弟は手を緩めない。
小僧はなおも挑発する。周りの大人も、ある人は避難を始めて、ある人はなりゆきを見守っている。
怒鳴りあっているので静寂というものはないが、一瞬音がなくなった。
と、次の瞬間弟が小僧がとびかかった。
兄も続く。
包丁は?ささったのか?
どうやら、小僧の内臓に刺さることはなく、皮膚と服に多少の傷をつけて終わった。
兄が、小僧に何かをいい、そのまま去っていった。
兄弟はまた何事もなかったかのように、屋台に戻り、サンドイッチの仕込みを始めた。
周りも明らかに「ちぇ!なんだよ!」って感じだったし、僕も「え、もう終わり?」と無責任に残念がった。
イスラムにおける人の命の価値なんてこんなものでる。
複数の無関係な人を巻き込んだ無差別テロが日常的に起こる国では、狙いを定めた一人を襲うなんて言うのは、むしろ手法として優秀で、それこそ成功して相手を支配しようものなら、拍手ものである。
本当に、このままエジプトにいたら、人を殺してしまうかもしれない。
蚊を殺したほどの実感もなく。
ピッチを上げて、早めにエジプトを出て、イスラエルに行こうと思いながら、列車の中で仮眠した。